Chapter01
この会津SNS sicon(シコン)は2005年の12月頃から企画され、2006年の3月に立ち上がりました。当時mixiが人気を集め始めており、人と人をつなぐSNSの仕組みは面白いと思っていたところにオープンソースという仕組みでmixiとほぼ同じシステムがあることを知り、立ち上げを決意しました。
まず考えたのは新しいSNSのコンセプトをどうするかでした。「地域とSNS」というテーマは決まっていましたが、mixiと同じものを作っても意味がないし、既にmixiの中には会津コミュニティもあった、わざわざ似たようなものを自分達でやる必要があるのだろうか?と考えました。
Chapter02
会津の人は皆地域愛がとても強いけれどなぜか足並みを揃えるのが苦手な印象がある、地域で様々な活動を行う人が少しでも同じ方向を向き始めればそこを中心に地域全体が変わるような強力な磁場が生まれるんじゃないか?という考えがありました。
そのためには最も基本的な情報共有の場が必要で、リアルタイム性と双方向性のあるインターネット上のコミュニティというのはコンセプトにぴったり合うと考え、「会津のタマシイをつなぐネットワーク」としました。
それは立場に関わらずお互いが相手にとって有意義と思う情報提供を行い、少しでも地域に何かしたいという意識のある人が連携できたらいいなと。日記の隅っこにでも「今こんなことを考えている」と書いておけば、みんながそれを見て「あの人はこんなことに興味があるんだな」と分かるし「じゃあ次会った時に話をしてみよう」「ぜひイベントに誘いたい」という動きにつながっていきます。
Chapter03
地域SNSの面白さの一つは何と言っても「いつでも会える距離にいる」ところです。近くに住んでいても毎日会うわけではない、でもSNSを見ていれば近況を見て「会おうよ」「飲もうよ」というバーチャルからのアクションの流れが生まれる。
そのリアルとバーチャルの行き来の中で地域が向かう方向性や可能性について言及して欲しい、そしてそのきっかけが小さなアクションの束となり最終的にこの地域に何かを残したい、というのがsiconのビジョンです。
地域というルーツを共有しているからこそ参加者同士や、地域の持つ課題についても深く興味を持てるしアクションにつながりやすい。
地域の持つ課題は基本的に行政による公共サービスで賄われてきましたが、財源や人口減の課題が重なってくるといかに市民が自分自身で無理なく公共サービスを代替する仕組みを作れるかだと思っています。
Chapter04
行政機能でできそうなものとして挙げられるものには、パブリックコメント、掲示板を使った観光コンシェルジュ、UIJターン支援、求人/求職情報、創業やビジネスのネットワーキング、二地域居住支援、空き家情報提供などが考えられると思います。
ただ、今のところsiconはそのために総合情報ポータル化や(SNSとしての)オープン化を考えているわけではありません。部分的な情報交換で十分だと思っています。
また、最後に地域に何が残せるか?が重要なのでメンバーをどんどん増やさなくてはいけないという考えもありません。もっとライトでトピックを限定しないやり取りを求める人はやっぱりmixiの方が楽しいと思うかもしれません。
多少堅苦しいと思われても、siconはあくまで会津にコミットしたい人のためのネットワークであり、必要とする人が必要とされる人を招待して必要なネットワークが構築されていく、それが本来のSNSの形だと考えています。
Chapter04
ここではsiconを理念に沿った使い方をして頂いている、そんな例をまとめてみました。特定の方だけの話というではありませんし、全ての利用者の方が自分なりの使い方をされていると感じます。
結果的に「こんな使い方があるんだ」と分かったことも含まれており、様々な使い方のうち「こういう使い方は地域を元気にすることにつながるのでは?」というお話です。
• 全国の会津好きが集まる場として
「会津」という地名の持つ知名度/ブランド力は東北の中、日本の中でもかなり高い方です。白虎隊を中心とした悲運の歴史と、それを作り出してしまったとも言える頑なで高い精神性に惹かれる人が少なくないのだと思います。このsiconの名前も見てお分かりの通り「士魂」から来ています。
会津の生まれではない/会津に住んでないにも関わらず、会津人と同じかそれ以上に会津が好きだという方がこれほどいて、siconをここまで利用して頂けるとは予想していなかったことでした。会津のいいところを発見するのと同時に、今後改善していくべきところ、新しく作り出していくべきものが一緒に議論・実現されればと思います。
• 会津出身の方のバーチャル故郷として
今は会津に住んでいないけれど会津出身/会津に縁があり、会津とのつながりと求めて参加しているという方がたくさんいらっしゃいます。利用方法としては想定していましたが特に意外だったのは、国内どころか世界中から更新されていてものすごくワールドワイドな広がりが生まれつつあることです。
ぜひ世界の情報が入ってくるぶん、代わりに会津のニュース等をお届けするコンテンツ等も企画していければと思います。
• ビジネスとして⇒ビジネス/事業/サービスとして
まず、地域の活性化は経済活動とつながっていますのでSNSによるビジネスマッチングを否定しません(迷惑行為やマルチ商法はもってのほかですが)。ネットワークが太く強い信頼関係になった結果として、事業やビジネスにつながっていくことは通常の人間関係においても当然のことと思います。
これからアクションを起こしたい人、既に起こしている人、共感する人がSNSでつながり、分担して何か大きな事業をやろうという流れが確立されれば、さらに新しい動きが生まれやすくなるのではないでしょうか。
株式会社デザイニウム
前田 諭志